山尾議員vs金田法務大臣(2/23)


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山尾議員vs金田法務大臣(2/23)
2017223 山尾議員VS 金田法務大臣.pdf
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2月23日の予算委員会第三分科会 「共謀罪」山尾志桜里議員VS金田法務大臣の一部を書き起しました。

 

山尾志桜里議員(民進党)

「特段、手段に制約を設けることは考えていないと。こういう趣旨の答弁でありました。したがって、従来の共謀罪と同じですね。従来もそうです。対面での打ち合わせでしか形成できないものではなくて、電話やメール等によって形成することも可能であると。これも従来の共謀罪の答弁。今の大臣も特段手段に限定はないということで、メール、あるいはLINE 、電話、こういったものでも共謀というふうに認定される余地を否定しないと、こういう答弁であったと思います。

そこで、ちょっと論を進めたいんですけれどもね。すこし心配なんですよ。

メーリングリストというものがあります。あるいはLINEのグループというものがあります。場合によっては、メールやLINEで形成された合意。この合意に誰が関わっていたのか、リストを見ればですね、少なくとも目に触れていたと言うことは推認されるわけですね。ただ、まったく関係していないという場合もあると。そう言う可能性も大いにあると。こういう人たちを、どのように排除されるおつもりなんですか?」

金田勝年法務大臣

「ただいまのご指摘のような事例についてはですね、えー、慎重に、その、証拠をですね、検討していくことになろうかと思います。」

山尾議員

「確認ですけれども、メールやLINEや電話でも、共謀が認定される余地はある、と言うことでよろしいですか。ちょっと一回確認をさせて下さい。」

金田法務大臣

「ま、今、検討中でありますので、それは成案時にご説明をしたいと思います。」

山尾議員

「いや、いや、余地があるから、その中でどういう人間を対象とするかは慎重に検討するとおっしゃったんでしょう?

大臣、やっぱりご自分の言葉に責任を持っていただいて。その余地があるけれども、その、まぁ、網がかかる範囲については慎重に検討すると、こう言う答弁と受け止めましたけれども、もう一回大臣、ご自分の言葉で整理されておっしゃって下さい。」

金田法務大臣

「えー。まあ。あー、メールの件でございますが、えー、検討をしている最中でありますが、えー、メールを閲覧しただけでは、合意ではないとこのようにも考える次第でありますので、成案を得た段階でお答えをしたいと、このように考えております。」

山尾議員

「確認ですけれども、今、特に手段の限定をするというような検討はされていない、と言うことでよろしいですか?」

金田法務大臣

「その方向で、検討をしておるところであります。」

山尾議員

「しかし、そのメールを閲覧しただけでは合意とは見なさないと。これも、本当によろしいんですか?それで。」

金田法務大臣

「ま、これは、あの、どのような場合に合意をですね、えー、その、メールを閲覧しただけで合意になるかどうかも含めまして、どのような場合に、と言うことは検討中でありますので、そこはご理解いただきたい。」

山尾議員

「はっきりさせてほしいんですね。今大臣は、メールを閲覧しただけでは合意にあたらないとまず、おっしゃった。その次の答弁では、メールを閲覧しただけで合意にあたるかどうかは検討中だとおっしゃった。どちらが正しいですか?」

金田法務大臣

「それも含めて、えー、検討中だと申し上げているつもりです。」

山尾議員

「したがって、メールやLINEなども合意と認定されうると、しかし、メールを閲覧しただけ、LINEを閲覧しただけで、合意あるいは共謀にあたるかどうかということは今、検討中だと。こういうことですか?」

金田法務大臣

「まあ。そこまでお聞きになられていますので、申し上げ・・ておきますと、検討中ではありますけれども、私としてはですね、単にメールを、えー、閲覧しただけでは合意ではないと、このように考えている次第であります。」

山尾議員

「大臣は、「個人として」と言うのはありませんのでね。大臣として答弁をされたと思いますけども、ここね、私が申し上げたいのは、メールやLINEもね、対面なくても、共謀と認定されうる、と。

そういうなかで 大臣のお気持ちとしては・・承りますよ。見ただけというので、共謀に当たるというのはちょっと、適切とは言えないんじゃないかと、こういうお気持ちがあるんでしょう。

だとすると、かなり幅広くこのメールのやりとりを確認しなければならない、かなり幅広くLINEのやりとりを確認しなければならない。

誰が、どのタイミングで、どういう台詞をメールやLINEで送っているのか、

それに対して 誰が、どういうタイミングで、それを閲覧し、それに対して返答を送っているのか。

つまり、そういった共謀を認定し、しかも範囲をきちっと確するためには、かなりメールやLINEの世界、場合によっては電話の世界、かなり監視の目を広く細かく網の目をかけなければ、今度は、冤罪を招く危険があると。そういうことになるんじゃないですか?」

金田法務大臣

「えー、捜査のあり方につながるご質問でございました。捜査のあり方につきましては、個別具体的な事案に応じて様々でありまして、一概にお答えはしかねるのでありますが、テロ等準備罪の捜査につきましても、現在行われております他の犯罪と同様の方法で、刑事訴訟法の規定に従って、必要かつ適正な捜査を行うことになろうと考えています。」

山尾議員

「私は、深刻な問題提起をしておきたいと思いますよ。

対面でなくても、共謀は認められる。したがって、メールや電話やLINEでも、共謀が認定されうる。しかし、その中で本当に、網をかけるべき人を選別するためには、かなり広く細かくメールやLINEや電話を捜査しなければ、結局、全く関係のない人に網をかけることになる。要するに、冤罪を生まないようにするためには、監視の網を広げなければならない。

それが、この共謀罪を包括的に作っていくことの、私は最大の問題点、最大の、これから抱えていく矛盾の一つだと思いますよ。」