枝野議員VS安倍総理大臣 2018/2/14

2018年2月14日 衆議院予算委員会 枝野幸男議員(立憲民主党)VS 安倍総理大臣 の一部を書き起こしました。

 

枝野幸男議員(立憲民主党)
「ここで私が取り上げたのはですね。総理が、先ほどの法制局長官の答弁をよく聞いていただければ分かるとおり、実際にどういう書き方をするかによって、従来の解釈が維持されるのか、それとも解釈が変わるのかと言うことは、実際の条文の書き方を見てみないと分からないのです。
分からないのに、一項二項は変わらない、と言うような予断を与えるようなことを 国会の外とはいいながら繰り返しお話になっている。
それは、違いますよ、と言うのを国民のみなさんにしっかりと知っていただかないと。

(そうだ!)

一項二項をそのまま残せば、今までの自衛隊と変わらないんだ、と言うその刷り込み、もしかすると間違った刷り込みかもしれない。その間違った刷り込みの中で、議論が進んだりすると、禍根を残す。だから、ここで、お尋ねをしてきたわけであります。

もう一点、総理の、国会では答弁されていないんでしょうが、大事なことですから、これまでのご発言を確認したいんですが、仮に、え、今自民党内で議論されているような、あー、九条の自衛隊を加えるという発議が国民投票で否決されても、自衛隊の合憲性は変わらない、今と変わらない。こういうご発言をされているようですが、事実関係として確認したい。」

 

委員長「安倍内閣総理大臣」

 

安倍晋三首相
「あの・・ま。枝野、議員にもですね、私の言っていることもよく聴いていただきたいと思うんですが、私は従来から申し上げているとおり、ですね。まさに、今、わが党のなかで議論が行われていると。しかしその中で、一項二項を残し、そしてもちろん書きぶりにはよりますが、わたしが想定しているのは、一項二項の制約は当然受けるでしょう、と 言うことを申し上げていて、その中でですね、自衛隊について、その存在を書き込むことということにおいてはですね、まさに一項二項の制約を受けるから、いわば、今までの制約に変わりはない、ということを申し上げたわけであります。ただ、詳細見てみないと分からないというのは、枝野議員のおっしゃるとおりでありますが、それ以上のことはですね、まさに憲法審査会でやっていただきたいし、そして私の思い通りにわが党の案がなるわけでも、これはないわけでありますから、

(なにか 野党からヤジが飛ぶ)

それは、それは・・、(ふふっ、と吹き出す 苦笑)
私は、そもそもですね、この場には総理大臣として立っていますから、立場にないというのは再三申し上げているじゃないですか。だけど答えろと言うから、あえて、そこまではお答えをさせていただいているということ、でありまして、
『なぜ答えるんだ』と言うヤジがいま、ございましたが、

   (ざわざわする 笑い声も)

非常に、外野のかたがですね、その、ヤジを飛ばしているわけでございますが、それは全く私の議論を聞いていない、まあ、ものではないのかな、と思うところでございます。

そこで、いわば、我々が申し上げているところはですね、政府の立場はですね、もう、これはもう、47年見解で明らかになったようにですね、我々は、すでに合憲であるという立場は揺るぎないわけでございます。えー、つまり、自衛権があり、そして自衛権を行使できると。しかし、その中で 47年見解においてはですね、集団的自衛権は行使できないということであったものをですね、我々は 当てはめるかたちにおいてですね、基本的論理を変えずに、国際情勢の変化に合わせて、平和安全法制を制定する前年にですね、憲法の解釈を変えて、この当てはめを変えたという経緯があるわけでございますが、この立場には変わりがないわけでございますし、新憲法草案がどういうものになるか、これはまだ完全に、条文ができてみなければわからないわけでありますが、その上においてですね、行われた国民投票において、見解が変わるわけでは、基本的にはない、とこう考えております。」

 

委員長「枝野くん」

 

枝野議員
「あの~、国民投票を行うとですね。今の憲法改正国民投票法が成立したときに、これ、議員立法ですので、議員立法でも、税金をつかうことが必然の法案は必ず具体的な、いくらかかるのかと言うことを提示しなければ、議員立法は審議できません。そして、それに対しての政府の見解も示されます。そのときの、議員立法での施行に要する経費というのは、国民投票1回あたり、約850億円の見込みである。つまり国民投票すれば、850億円の税金がつかわれるわけであります。
今のお話の通りですね、えー、九条に自衛隊を書き込んでも、基本的には今までと解釈は変わらない。もし、その発議が否決されても、いままでの解釈は変わらない。
850億円かける価値があるのか。意味があるのか。

ちなみに、多くのみなさんは誤解されているかたがいらっしゃるし、時々へんなデマがありますから、念のため申し上げておきますが、立憲民主党は、自衛隊の存在は合憲だと考えています。そして専守防衛、個別的自衛権の範囲内における自衛権行使は合憲だというふうに思っております。
先ほどの過去の政府見解についての解釈。それは政府の解釈の仕方は間違っていると思いますので、「集団的自衛権の一部容認」、つまり海外で戦争ができるかという点においては、今の政府と考え方は違いますが、日本の領土領空領海が攻撃された場合、自衛権を発動して日本の国土を守ると言うことに関しては、我々は明確に合憲の立場だ、ということであり。
私は、国会の中を見ても、大方のみなさんはそういう立場になっていると思います。
なぜならば、新人や若いかたはべつとしても、自衛隊を含む予算に賛成した経験のある、私も提出者・自衛隊を含む予算の提出側に回ったことがあります。それに賛同しているんですから、違憲のものに賛成をしたら、それは矛盾ですから。多くの国会議員が「自衛隊は合憲である。少なくとも専守防衛、個別的自衛権については合憲である」と言うことについては、政治的には決着がついている話である。

  (そうだ!)

いうことについて、850億円の税金をつかう、と言うのは、なかなか理解しがたいところがあります。」