太田啓子弁護士によるミニ解説@コッカイオンドク!藤沢 を書き起こしました(後編)
太田弁護士
「(共謀罪は)衆議院は、もう通ってしまいました。
参議院をいつ通過するか。
今のところ、6月13日と言われています。あと2日です!
あと2日で、今のとこ、確率では 95%成立するかな、と正直、思ってます。
なんでか、わかりますか? 衆議院も参議院も、与党が過半数だからですよ。
そういう選挙の結果がもうあるから、覆すのは非常に困難かもしれません。
しかし、この国会は、6月18日までが通常国会の会期なんですけども、都議会選挙がありますので、あまり大幅な延長はしたくないという事情が与党にはあります。
いま駆け引きのほんと、ぎりぎりのところにいますので、
世論、世論しかもう、ストッパーはないんです。
法案にはもうストッパーがありません。驚くほどストッパーがないんです。
私2000年に、司法試験にうかりました。刑法を勉強したわけですけれども、刑法。刑事法ですね、「これが犯罪になります」「こういうコトしたら犯罪です」「こういう罰があります」と言う法律なんです。
それはなんのためにあるかと言いますと、ふつうは、悪いことをしたらば、どんな処罰があるのか、を決めるわけですよね。そのとおりなんですが、裏返して「ここまではやっていいよ」、というような我々の「自由を保障する機能」があるんですよ。これ、刑事法の非常に大事な機能なんですね。
たとえば、窃盗罪で言えば、盗んじゃいけないですよ、そりゃ。
でも、「あれ、ほしいなぁ~。」って内心で思って、ほろっと話すくらいは、いいですよね。
そこは自由です、犯罪ではない、とはっきり書いてあるから。
刑事法というのは、われわれの自由のぎりぎりの限界を決めていくことで、ここまではなにやってもいいよ、と言う自由の保障をする役割があるんですね。
だから、犯罪の規定って、すごく明確じゃないといけないんですよ。
なにが窃盗か、「よくわかんない」じゃ、困るんですね。
ところがこの共謀罪の問題点はあいまいさなんです。なにが犯罪なのか、なにをやったら処罰行為なのか、あいまいなんです。
なぜか。わざと曖昧にしてあるんです。
それは、なるべく自由の範囲を狭くしたいから、萎縮させたいからです。
目的は、政府にものを言う、批判をする人たちを、あらかじめ黙らせたいからなんです。
自分は、なにか政府の行為を批判することはない、とそう思うかもしれない。多くの人はそうかもしれない。私も、決して好んであれこれ政府を批判しているわけじゃないんですよ。
でも、今までは、あまり困ってこなかったですけど、これからあるかもしれないじゃないですか。
たとえば3.11があって、福島で原発事故があって、大変な思いをして自主避難して、国に対して裁判を起こしている方々がいますよね。
あの方々は、もともと政治的に意識が高かったわけじゃないですよ。まさか自分が裁判を起こすなんて、そういうふうに思っているお母さんがたくさんいらっしゃるんですね。
たとえば、自分の家の近くに、あるいは自分の故郷の近くに、高レベル放射能廃棄物の最終処分場が出来るかもしれない。そんなことがこれから、あるかもしれない。
そうでしょう。なにかの時に声を上げたい、「それは困る」といいたい。そういうことがあって当たり前なんです。
別に裁判しなくてもいいんです。「ちょっと困るな・・」って声、それさえも封じておきたい。
それがこの共謀罪法案の大きな落とし穴だと、1人でも多くの方が思って、気づいて、声を上げなくちゃいけない。
どんな声でもいいんです。Twitterでもいいし、FBのシェアでもいいし。
ふだん、まったくそんな話してないお友達が急に政治の話を書くと、びっくりしますよ。
関心が広がると思うんです。ぜひやってほしい!
がんばって報じてるメディアもあります。そこにもっと報じて!と応援をする。
また賛成的な報道をしてる報道機関があるかもしれません、「お宅の新聞の報道、ちょっとおかしいと思うんですが?」とか意見を伝える。
方法は色々あると思います。
それから自分の選挙区の議員さんに、「おたくの党は賛成してますけど、ほんとにいいのかな、不安なんですけど。あなたが賛成票を投じたら、あなたには今後投票したくない」と。これ、すっごく大事なことなんですよ。
まだ方法はあります。
でも、デッドエンドはあと2日です!
あと2日で通っちゃいます!通ったときに修正すればいいと思いますか?
そういう風なアクションこそ、封じるような法案ですから。
通ったら、修正はもうほぼ効かない、後戻りがしづらい。
そういう法案であることも、多くの弁護士が声を大にして、反対している理由なんですね。
賛成意見も反対意見も両方聴いて、考えたいと言う意見もあると思います。
「共謀罪・賛成意見」「共謀罪・反対意見」と自分で検索して、知って、
ご自分で判断を、ぜひしてください。
あと2日しかありません。よろしくお願いします!!」