玉木議員VS安倍総理大臣 2018/2/5

2018年2月5日 衆議院予算委員会 希望の党 玉木雄一郎議員 VS 安倍晋三総理の一部を書き起こしました。

 

玉木雄一郎議員(希望の党)
「自衛権の議論を正面からせずに、自衛隊の組織の役割を書くと。自衛隊の任務権限は変わらないということでありますけれども、任務権限についての憲法上の明文上の規定がないけれども、任務権限が変わらないとなると、新たに書き加えられる自衛隊の任務権限というのは、憲法の外で、つまりすでに制定された安保法制や、あるいはその元になった47年の政府見解や その前の閣議決定。そういうことで 任務権限が決められると言う理解でよろしいでしょうか?」

 

委員長「安倍内閣総理大臣」

 

安倍晋三首相
「あのお、えー、ま、そもそも、任務等につきましては、そもそも自衛隊法等に規定があるわけですが、その根幹であります自衛権につきましては、先の砂川判決からひいてきて、47年の見解と軌を一にするものが出てきているわけでございます。そしてその解釈については 平和安全法制の前年にですね、憲法解釈をわれわれは変更した、これは 当てはめ、でありますが、基本的論理は維持しつつ、当てはめを変えた、と。まこういうことで、ま ございますが、その中で、二項を残すことによって 二項による制限がですね、残る中においてはですね、いわば権限、は変わらないだろうと。いうことを申し上げたところでございます。」

 

委員長「玉木くん」

 

玉木議員
「分かりました、よく分かりました。

あの、総理の提案されている憲法改正案というのはですね、自衛権については触れていない、それは むしろ 憲法の外で、法律や、今あった砂川判決、あるいは、その前の閣議決定ということで決まっていくということですね。と言うことは、自衛権の範囲というのは憲法上明記されず、下位法令や閣議決定に委ねられる、と言うことであればですね。私はこれは、「公権力を縛る」という立憲主義の観点からは、問題が残り続けるのではないかなと思います。
総理がおっしゃったようにですね、自衛隊がほんと命をかけて頑張っておられる。あの自衛隊のみなさんが、誇りを持って、
もっというと、学者や、あるいはその・・教科書ですか? そういったところで違憲の疑いをかけられないようにすると言うのが、総理の改憲案の目的だと認識しておりますが、ただ、今の総理の話であるとですね、確かに自衛隊と言う組織自体の違憲の疑いは消えるでしょう。

しかし、まさに2015年、安保法制で問題になったようなですね、「自衛権」をめぐる争い。そして憲法学者も含めた違憲の疑いというものがですね、自衛権の問題というのが 憲法の外で、最高法規たる憲法の下の法令以下で、閣議決定も踏まえて決められるのであれば、 「組織たる自衛隊」の違憲性の疑いは消えたとしても、その自衛隊の行使する「自衛権」については引き続きですね、2015年に言われたような違憲の論争が、消えないし、巻き起こると思うんですね。加えて、その状態で国民投票にかけてしまえば、まさにあのときに起こったような国論を二分するような議論が起きてしまい、最悪、国民投票で否決されてしまったら、自衛隊の存在を書き込む、その改正案が否決されたらですね、まさに自衛隊の存在そのものに対する違憲性が確定するようなですね、あってはならない事態が生じる。私はここまで考えて、やらなければならないと思っているんです。

で、総理のおっしゃりたい、自衛隊のみなさんが誇りを持って働くような、憲法上の実現を与えるって 分かるんですが、自衛権の問題の議論を避けて、単に自衛隊の存在だけを書くことが 近道のように見えて、遠回りになったり、場合によってはですね、袋小路に陥って、出口のみえない改憲議論になってしまうんじゃないかということを恐れます。
この根本的な問題に対して、私は北朝鮮の情勢が極めて緊迫している中で、そういうリスクをとるべきではない。
我が国の防衛の観点からも、「百害あって一利なし」の九条改憲案だと思います。

ですからここは総理、慎重にやるべきだと思いますし、
命をかけて自衛隊のみなさんに報いるのであればですね、
防衛大臣、防衛出動したときの手当って、まったく 決めていませんよね
でも、本当にミサイルが着弾する、本当に戦争・戦闘状態になる、本当にそのときに命をかけてもらわなくてはいけないということになればですね、
むしろそういったことも含めて議論しないと、私は いけないのではないかと思います。

総理、今の総理の改憲案ではですね、かえって国論を二分し、しかも、自衛権の範囲が憲法上は明記されないことによって、下位法令、閣議決定でしか やはり規定されないことで、
国論を二分し、そして 違憲の疑いさえ、国民投票の結果では確定してしまう。
こういった改憲論については、とりさげる、 慎重に考えるべきだと思いますが、いかがですか?」

 

委員長「安倍内閣総理大臣」

 

安倍首相
「あの、政府の立場を申し上げればですね、自衛隊は合憲であると言うことは、明確な一貫した立場であり、これはですね、自衛隊を明記することが、あー、国民投票でたとえ否定されても、これは変わらない、もの、で、えーあります。これは一貫しているもの、で、ございます。
で 今、えー、それは意味がないのではないかという意見が  ・・ え?」

(玉木議員がなにか発言)

 

安倍首相
「・・あ、書くことには意味があるのね。
そこで、そこでですね、いわば 書きぶりについてですね。まだわが党において議論がある、ところであります。シビリアンコントロールについてはどのように触れるのか、あるいは今 玉木議員がおっしゃったように自衛権そのものに触れるのかどうか、もふくめていま、議論中でありますから、私はこれ以上深入りするつもりはございませんが、
しかし、もうすでに、えー、政府の解釈においてはですね。えー、この、我々 一項二項が残る中においても、自衛隊は合憲であり、我々は自衛権の行使として 個別的自衛権、そして集団的自衛権、これは、新三条件のもとにおいては、これは、行使できると言うのが、基本的な考え方、で、あります。これは、今後ともですね、我々は、変えるつもりはない、と言う中において
しかし、えー これ、自衛隊の、いわば 明記。
彼らにとってですね、大切なことは、 命をかけて日本を守るという誇りなんです。
手当を出せばすむと言うことではなくて、
やっぱり 彼らは、命をかける公務員であるわけでありまして。
そこでですね、命を賭して任務を遂行している者の、正当性の明文化を
・・者の、正当性を明文化し、明確化することは、我が国の安全の根幹に関わることであろうと、私は考えて、私は総裁として考えている訳でありまして、
憲法改正のこれは、充分に理由になるものであろうと、こう考えているところ、で、ございます。」

 

委員長「玉木くん」

 

玉木議員
「時間となりましたので、終わりますが、
いや、私が申し上げたかったのは 総理、まったく想いは同じなんです。
だからこそですね。結局、自衛隊を明記したとしても、自衛権の範囲が憲法の外で決まると言う今の状態を放置したままではですね。 結局 自衛隊が合憲になったとしても、その行使する自衛権については、違憲だ、違憲だと言う疑いが残り続ける。
そのことでは、不安定な状況に、自衛隊のみなさんをおいてしまうと 言う懸念を、よくよく考えてやらないと、なにか、一項二項を残して自衛隊加憲はですね、国民の中に通りやすいから通そうと言う観点で 憲法の議論をするべきではない。
このことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。」

 

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動画はこちら (2018年2月5日予算委員会)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/